2026年10月20日、サッポロビールの「GOLD STAR(ゴールドスター)」が、新ジャンルからビールへと生まれ変わりました。
これまで発泡酒②(新ジャンル)として販売されていたゴールドスターですが、今回のリニューアルでは製法を刷新。従来の飲みごたえを受け継ぎながら、ビールとして新たなスタートを切っています。
しかし、気になるのは「ビールになって本当においしくなったのか?」ということ。
そもそも旧ゴールドスターは、新ジャンルでありながら本物のビールに非常に近い味わいを持ち、筆者自身も長年愛飲してきた商品です。
そこで今回は、発売翌日の10月21日に旧版と新版を実際に飲み比べ、甘み・酸味・苦味・コク・香り・余韻の違いを詳しくレビューします。
結論から言えば、新ゴールドスターはビールとして正当に進化しており、非常においしい仕上がりです。
ただし、旧版も新ジャンルとして完成度が非常に高く、料理との組み合わせによっては、むしろ旧版の方がおいしく感じられる場面もありました。
旧ゴールドスターと新ゴールドスターの基本スペックを比較
まずは、今回のリニューアルで何が変わったのかを確認しましょう。
| 項目 | 旧ゴールドスター | 新ゴールドスター |
|---|---|---|
| 品目 | 発泡酒②(新ジャンル) | ビール |
| アルコール度数 | 5.0% | 5.0% |
| 原材料の特徴 | 発泡酒にスピリッツを使用 | 麦芽・ホップを使用したビール |
| 味わいの方向性 | コクとキレを両立した軽快な飲み口 | ビールらしい厚みと雑味の少ない後味 |
| 発売時期 | ビール化以前 | 2026年10月20日 |
旧ゴールドスターは、サッポロ生ビール黒ラベルに使用される「旨さ長持ち麦芽」と、ヱビスに使用されるドイツ産アロマホップを一部採用していることが特徴です。
サッポロを代表する二つのビールブランドの素材を組み合わせることで、新ジャンルでありながら本格的なビールに近い味わいを追求していました。
その完成度は非常に高く、筆者にとっては、価格の安いビールの代用品というより、一つの完成された商品という印象が強い銘柄でした。
では、ビール化によって味わいはどのように変わったのでしょうか。
【比較表】旧ゴールドスターと新ゴールドスターの味を5段階で評価
まず、飲み比べて感じた味の特徴を7項目で評価しました。
| 評価項目 | 旧ゴールドスター | 新ゴールドスター |
|---|---|---|
| 甘みの強さ | ★★★☆☆ 3 | ★★★★☆ 4 |
| 酸味の強さ | ★★☆☆☆ 2 | ★☆☆☆☆ 1 |
| 苦味の強さ | ★★☆☆☆ 2 | ★★★☆☆ 3 |
| 麦の香り | ★★★☆☆ 3 | ★★★★☆ 4 |
| コク・飲みごたえ | ★★★☆☆ 3 | ★★★★☆ 4 |
| キレの強さ | ★★★★☆ 4 | ★★★★☆ 4 |
| アルコール感 | ★★★☆☆ 3 | ★★☆☆☆ 2 |
※評価はサケノム編集部による実飲時の主観的なものです。星の数は各要素の強さを表しており、おいしさの優劣を示すものではありません。
注目したいのは、旧版と新版で甘みの質が明確に異なることです。
旧版はわずかな酸味を伴うシャープな甘みであるのに対し、新版はより柔らかく、丸みのある甘みが特徴です。
また、新版は苦味とコクに厚みが増している一方で、味の抜け方そのものは旧版より早く感じられる場面もありました。
旧ゴールドスターの味を詳細レビュー|コクがあるのにキレがいい
最初のひと口:新ジャンルとは思えないビールらしさ
旧ゴールドスターを口に含むと、最初に感じるのはサッポロらしい麦のコクと程よい苦味です。
黒ラベルそのものではありませんが、同社のビールに共通するような、しっかりとした麦の存在感があります。
新ジャンル特有の軽さはあるものの、最初のひと口だけなら本物のビールと間違えても不思議ではないほどです。
特に優れているのが、コクとキレのバランスです。
麦の味わいは比較的濃く感じられるのに、決してしつこくありません。この特徴は、黒ラベルの飲み飽きない味わいにも通じるものがあります。
中盤:新ジャンル特有のアルコール感が現れる
口に含んでから少し時間が経つと、最初のビールらしい印象から、徐々に新ジャンル特有のアルコール感が現れます。
鼻に抜ける香りには、スピリッツを使用したビール系飲料に見られるような、少しチープなニュアンスがあります。
ここで初めて、旧ゴールドスターが本物のビールではないことを意識させられます。
ただし、この香りが強く主張するわけではありません。麦のコクや苦味と自然に重なっており、全体のバランスを大きく崩すほどではないのです。
ちなみに筆者は、普段から金麦、本麒麟、麦とホップ、グリーンラベルなどを愛飲しています。
ビールが好きすぎる一方で、財布の中身がその愛情に追いついてくれないため、長年こうしたビール系飲料のお世話になってきました。
その結果、今では新ジャンル特有の少しチープなアルコール感まで好きになってしまいました(笑)。
この点については、多少の個人的な好みが含まれているかもしれません。
後味:麦の香りと甘みが柔らかく残る
旧ゴールドスターで特に面白いのは、飲み込んだ後の味の変化です。
中盤では新ジャンルらしいアルコール感が現れますが、その後にもう一度、麦の香りとほのかな甘みが感じられます。
この香りは強く主張するものではなく、柔らかくふんわりと鼻へ抜けていく印象です。
そして、苦味は長く残りません。
麦の香りと甘みがスーッと引いていき、最後には非常に爽やかな後味が残ります。
夏場にスーパードライを飲んだときのような爽快感にも少し近いのですが、旧ゴールドスターの場合は、そこにサッポロらしい麦のコクが加わっています。
コクはあるのに、キレがいい。そして、そのキレが強すぎない。
この絶妙なバランスこそ、旧ゴールドスターの最大の魅力だと感じます。
新ゴールドスターの味を詳細レビュー|柔らかな甘みとビールらしい厚み
最初のひと口:丸みのある優しい甘み
新ゴールドスターを飲んで最初に感じたのは、旧版との意外な共通点でした。
口に含んだ瞬間の甘みには、従来のゴールドスターを思わせる部分があります。
しかし、甘みの質は明確に異なります。
旧版は、わずかな酸味を伴うキリッとした甘みが特徴でした。一方、新版は、より柔らかく、丸みのある甘みが広がります。
旧版の甘みがシャープで爽快な印象なのに対し、新版は穏やかで優しい甘みです。
また、甘みの強さ自体も新版の方がやや強く感じられました。
これは今回の飲み比べで、特に分かりやすかった違いの一つです。
中盤:麦芽とホップの苦味が重なり、コクに厚みが増した
新ゴールドスターでは、甘みに続いてビールらしい苦味が現れます。
旧版にも適度な苦味はありましたが、新版ではホップを思わせる苦味と、麦芽のうまみが一体となって感じられます。
苦味だけが独立しているのではなく、麦のコクと自然に重なっている印象です。
また、飲みごたえにも違いがあります。
新ゴールドスターは決して重厚なビールではありません。全体としては軽快で、飲みやすい味わいです。
しかし、旧版と交互に飲み比べると、ほんの少しだけ味に厚みが増していることが分かります。
このわずかな重みが、ビールらしい満足感につながっているように感じました。
後味:旧版より早く抜けるのに、コクが残る
今回、新ゴールドスターで最も興味深かったのが後味です。
飲み込んだ後、甘みや苦味の輪郭は比較的早く消えていきます。
その一方で、麦芽やホップを思わせるコクは、舌の上と鼻に抜ける香りの両方に残ります。
つまり、味そのものは早く引いていくのに、ビールらしい余韻はきちんと感じられるのです。
旧版は、最後に柔らかな麦の香りと甘みが戻り、すっきりと消えていく印象でした。
一方、新版は、味の輪郭が早めに引きながらも、麦芽とホップのコクが余韻として残ります。
単純に味を濃くしたのではなく、飲みやすさとビールらしいコクを両立させている点が好印象です。
新ゴールドスターは、ビールとして正当に進化した
新ゴールドスターを飲んで感じたのは、従来の軽快さを維持しながら、ビールとしての厚みが加わったということです。
柔らかな甘み、心地よい苦味、麦芽とホップのコク。
これらが自然にまとまっており、旧版で感じられた新ジャンル特有のアルコール感も目立たなくなっています。
旧版と比較して圧倒的に濃厚になったわけではありませんが、ゴールドスターらしい飲みやすさを維持しながら、味わいの質を高めています。
ビール単体としての完成度を評価するなら、新版の方が優れていると感じました。
味の変化を時間軸で比較すると、違いがよく分かる
両者の特徴を、ひと口飲んでから余韻が消えるまでの流れに沿って整理すると、次のようになります。
| 段階 | 旧ゴールドスター | 新ゴールドスター |
|---|---|---|
| ① 飲み始め | 麦のコクとシャープな甘み | 柔らかく丸みのある甘み |
| ② 味の広がり | わずかな酸味と適度な苦味 | 麦芽とホップを思わせる苦味 |
| ③ 飲み込む直前 | 新ジャンル特有のアルコール感 | ビールらしいコクと厚み |
| ④ 飲み込んだ後 | 麦の香りとほのかな甘みが戻る | 味の輪郭が早めに引く |
| ⑤ 余韻 | 苦味を残さず爽やかに消える | 麦芽とホップのコクが残る |
こうして見ると、新旧の違いは単にコクや苦味が強くなったことだけではありません。
甘みの性質、苦味が現れるタイミング、飲み込んだ後に残る風味が変化しています。
特に、新版では甘みが柔らかくなり、ビールらしい苦味とコクが一体化していることが大きな特徴です。
カツオのたたきと飲み比べ|料理との相性では旧版が逆転
今回は、ポン酢と生姜でいただくカツオのたたきと合わせて飲み比べてみました。
まず、新ゴールドスターと合わせてみると、ビールの柔らかな甘みがより強く感じられます。
カツオのうまみやポン酢の酸味と組み合わさることで、単体で飲んだとき以上に、丸みのある甘さが印象的になりました。
これはこれで非常においしい組み合わせです。
しかし、旧ゴールドスターに切り替えると、こちらの方が料理との相性がよいように感じられました。
旧版のキリッとした甘みと爽快なキレが、ポン酢の酸味や生姜の風味とよく合います。
また、苦味が長く残らないため、カツオの味わいを邪魔しにくい点も好印象でした。
筆者は以前から、刺身や寿司などの和食にはアサヒスーパードライが非常によく合うと考えています。
スーパードライはビール単体での評価が分かれることもありますが、料理との組み合わせでは、その優れたキレが大きな魅力になります。
実際、筆者の親戚が営む飲食店でもスーパードライを採用しています。
今回の旧ゴールドスターにも、こうした食中酒としての軽快さを感じました。
ビール単体では新版の方が完成度が高いと感じたものの、ポン酢と生姜を使ったカツオのたたきとの相性では、旧版に軍配が上がりました。
この結果は、旧ゴールドスターが単なる安価な代用品ではなく、独自の完成された味わいを持っていたことを改めて実感させるものでした。
サッポロビールらしい、コクとキレの絶妙なバランス
筆者は以前、飲食店で働いていた経験があり、ビール好きの方々と話す機会が多くありました。
その中で「一番おいしいビールは何か」と聞くと、サッポロ生ビール黒ラベルかキリン一番搾りを挙げる方が多かった印象があります。
もちろん、これは筆者の経験に基づくものであり、一般的な人気順位を示すものではありません。
そして筆者自身は、どちらかといえばサッポロ派です。
黒ラベルで特に優れていると感じるのは、麦のコクとキレのバランス。
しっかりとした飲みごたえがありながら、後味がしつこくありません。
麦のうまみが広がった後、程よいところでスッと引いていく。この絶妙なバランスが、飲み飽きない味わいにつながっていると感じます。
旧ゴールドスターにも、この黒ラベルに通じる特徴があります。
さらにサッポロには、赤星ことサッポロラガービールや、プレミアムビールのヱビスもあります。
それぞれに異なる魅力があり、ビール好きにとって非常に充実したラインアップだと思います。
ちなみに、筆者が最も好きなビールはサッポロクラシックです。
北海道で飲んだときの味わいは今でも印象に残っており、あまりのおいしさに「もう北海道に住もうかな」と本気で考えたほどでした(笑)。
もっとも、キリン一番搾りのおいしさも十分に理解していますし、刺身料理にはスーパードライが最も合うと感じることもあります。
ビール単体でのおいしさと、料理との相性は必ずしも一致しません。
今回のゴールドスターの飲み比べでも、まさにその違いを感じる結果になりました。
なぜビール化で味わいが変わったのか?原材料と製法から考える
今回のリニューアルでは、ゴールドスターの品目が発泡酒②からビールへ変更されました。
従来のゴールドスターは、発泡酒をベースにスピリッツを加えることで、新ジャンルとしての味わいを実現していました。
一方、新版ではビールの原材料基準を満たす製法に変更されています。
ビールの味わいには、麦芽やホップの使用量だけでなく、糖化条件、煮沸工程、発酵条件など、さまざまな要素が関係します。
そのため、今回感じられた甘みの変化やコクの増加も、単純に麦芽の使用比率だけで説明できるものではありません。
ただし、旧版で感じられた新ジャンル特有のアルコール感が目立たなくなり、麦芽とホップを思わせる風味が自然にまとまっていることは、実際の飲み比べでも確認できました。
単純に原材料を変えるだけでは、従来の味わいを維持できるとは限りません。
旧版の優れたコクとキレを受け継ぎながら、ビールとしての厚みを加えた点は、今回のリニューアルで高く評価したい部分です。
結局、旧ゴールドスターと新ゴールドスターはどちらがおいしい?
今回の飲み比べでは、ビール単体としての完成度は、新ゴールドスターの方が高いと感じました。
柔らかく丸みのある甘み、麦芽とホップを思わせる苦味、そして厚みのあるコク。
これらが自然にまとまっており、ビールとして非常にバランスのよい仕上がりです。
一方、旧ゴールドスターには、シャープな甘みと爽快なキレ、そして後を引かない軽快な後味という魅力があります。
特に今回のカツオのたたきとの組み合わせでは、旧版の方が好印象でした。
つまり、ビールとしての完成度と、特定の料理との相性は必ずしも一致しないということです。
旧版が新ジャンルとして非常に完成されていたからこそ、今回のリニューアルでも、単純な上位互換とは言い切れない部分が残っています。
しかし、これは新ゴールドスターの評価を下げるものではありません。
むしろ、旧版の完成度がそれほど高かったことの証明だと感じます。
まとめ|素性のよかったゴールドスターを、見事にビールへ進化させたサッポロ
今回、旧ゴールドスターと新ゴールドスターを飲み比べて感じたのは、新しいゴールドスターがビールとして正当に進化しているということです。
旧版の魅力だったサッポロらしい麦のコクと軽快な飲み口を受け継ぎながら、甘みはより柔らかく、苦味とコクにはビールらしい厚みが加わっています。
新ジャンル特有のアルコール感も目立たなくなり、味わい全体が自然にまとまっている点も好印象でした。
ビールとして評価するなら、間違いなくおいしい商品です。
ただし、今回の飲み比べで改めて驚かされたのは、旧ゴールドスターの完成度の高さでした。
新ジャンルでありながら本物のビールに近いコクを持ち、程よいキレと爽快な後味を両立していた旧版。
その味わいは非常に完成されており、ポン酢と生姜でいただくカツオのたたきとの組み合わせでは、新版よりもおいしく感じられるほどでした。
つまり、今回のリニューアルは、旧版の欠点を改善しただけの単純な進化ではありません。
もともと非常に素性のよかった新ジャンルを、その魅力を損なわずに、本格的なビールへと仕上げたリニューアルだと感じます。
旧版の完成度が高ければ高いほど、製法変更によって従来のバランスが崩れてしまう可能性もあります。
それでも新ゴールドスターは、従来の軽快さを維持しながら、ビールらしい厚みと自然な後味を獲得しています。
この仕上がりには、さすがサッポロビールと言わざるを得ません。
旧版があまりにも完成されていたからこそ、料理との相性では逆転する場面もありました。しかし、それは新版の完成度が低いという意味ではなく、旧版がそれほど優れた商品だったということです。
新ゴールドスターは、ビールとして間違いなくおいしい。そして、旧ゴールドスターもまた、新ジャンルとして非常に優秀だった。
今回の飲み比べは、ゴールドスターというブランドが持つ完成度の高さと、サッポロビールの製品開発力を改めて感じさせる結果となりました。
旧版が店頭に残っているうちに、ぜひ一度、新旧のゴールドスターを飲み比べてみてください。
特に甘みの質、苦味の現れ方、飲み込んだ後の余韻に注目すると、今回のビール化による変化をより明確に感じられると思います。
※本記事の味覚評価はサケノム編集部による実飲レビューです。甘み、苦味、香り、余韻などの感じ方には個人差があります。
※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
